「光が訪れ、人を照らす」10.12.19
ルカ2:1〜20
クリスマスは、主イエスが、暗闇と死の陰に座している者たちを照らす真の光として、この世においでになった出来事です。
クリスマス以降の世界には、真の光があります。主イエスの誕生以前と以後とでは、世界は変わってしまいました。
主イエスの産まれた場所は、ベツレヘムの家畜小屋でした。そこは、暗闇の陰に座しているような、辛く悲しい状況を表す場所です。
二人が望んだのではなく、権力者の政治的命令によって、ベツレヘムへの旅を強制されたのでした。その場所は、巨大な力に抗うこと
の出来ない小さな二人の苦しみを表しています。また、二人は家畜小屋で出産をすることになりました。宿屋を確保する競争に敗れた
からであり、出産を控えた二人に手を差し伸べる人のいない愛の無い世界だったからです。家畜小屋は、人の世の悲しさを表しています。
しかし、そのような所に主イエスは誕生なさいました。
私たちも、自分では抗うことの出来ない大きな力に振り回され、自分の力のなさを知らされ、苦しい思いにさせられることがあります。
周囲の人との関わりの中でも、苦しい思いにさせられることがあります。競争に敗れて自己卑下に陥るだけでなく、自己責任だと責め
立てられ、手を差し伸べてくれる人のいない孤独の中で途方にくれることもあります。私たちの生涯には、喜びだけでなく、暗く苦しく
悲しい状況も起こります。だからこそ、クリスマスにベツレヘムの家畜小屋で生まれた主イエスを思い起こします。恐れと不安で
あふれた場所に、主はおいでになったのです。私たちは、家畜小屋に身を置くような者ではありますが、主に励まされ、力をいただいて
進むのです。
み使いは、羊飼いに主の誕生を知らせました。羊飼いは、自分の罪を知るゆえに、神の栄光に照らされたときに恐れました。しかし、
み使いは「恐れるな」と告げます。罪を赦す救い主がお生まれになったからです。罪ゆえに神を恐れるのでなく、罪赦された感謝の中で
生きる生き方が、クリスマスにはじまりました。