「天国に場所が用意されている」10.09.19
 ヨハネ14:1〜4
 
人の死は、遺された者に深い悲しみをもたらします。その中では、心が騒ぎ、揺れ動き、
孤独を感じ、死に対する不安をおぼえ、信仰の疑いが生まれそうになることさえあるでしょう。
永眠者記念礼拝を守りながら、死の力の強さを思わされる私たちに、「心を騒がせるな」との
主イエスの言葉が向けられています。
 これは、私たちに与えられている天国の約束ゆえにです。主イエスは、「わたしの父の家には
住む所がたくさんある。もしなければ、あなた方のために場所を用意しにいくといったであろうか。
言ってあなた方のために場所を用意したら、戻って来て、あなた方をわたしのもとに迎える」と
おっしゃいます。天国の父の家に、私たちのための場所を用意してくださるのです。
 場所を用意しに行く。そのために、主イエスは十字架にかかり、復活し、天に昇り、聖霊を
送ってくださいます。それらは、私たちに場所を用意するための出来事でした。主イエスは、
すべての人間のすべての罪を代わりに担って、罪人としての十字架で死んでくださいました。
罪を担うために、神の子としての力を発揮されました。罪あるままでは父の家にふさわしく
ありませんが、主イエスの十字架によって、場所が用意されました。十字架の後、三日目に
復活なさいました。復活によって、人を死に縛り付けている死の力は破られました。死は主
イエスを押さえつけることができません。死に勝る主イエスは、死から人を解き放つ力
をお持ちです。その主が天の父の家に連れて行ってくださいます。天に昇られた主イエスは、
聖霊を与えてくださいます。聖霊は、私たちに迫り、主イエスを信じ救いを受け入れることが
できるように働きかけてくれます。聖霊の助けによって信仰を与えられた私たちは、
天の父の家に迎え入れていただけます。そうやって父の家の場所の用意は、
すでになされています。後は主イエスが迎えに来てくださるのを待つばかりです。
私たちは死を思うと同時に、すでに死の先に用意してくださっている天の場所を
望み見ながら進んでいけます。