「主イエスと共に旅をする」09.12.27
マタイ2:13〜23
主イエス・キリストの誕生によって、この世界は一変しました。主イエスが誕生した
のは、神が闇を罪から救うための行動をおこされたからです。クリスマスから、
神の救いの計画は動き始めました。この世界は、神の救いの働きが、もう
始まっている世界なのです。ですから、私たちは、救いの完成を期待して
待てばよいのです。もう、不安や疑いを抱えて生きることをしません。
しかしながら、クリスマスの出来事と同時に、世界を覆い尽くすような闇の
出来事を、聖書は描きます。若い夫婦と幼い主イエスは、命を狙われ逃亡
生活を余儀なくされます。また、救い主を警戒するこの世の権力者が、2歳
以下の男の子を虐殺する悲惨な事件を起こします。闇の出来事を引き起こ
したヘロデ王は、神を拒む人間の代表です。自らを神とする人間の自己中心
的な思いは、人を愛さず、抹殺し、悲しみを生み出します。私たちも、主イエス
を迎え入れられない時には、自分を神とし、自己中心となり、ヘロデのような
心を持ってしまうことがあります。大きな出来事を引き起こさなくても、人を
拒み、「あんな人はいなければ良い」と心の中で人を抹殺します。ヘロデの
姿は、私たちと無縁なのではありません。
人間の罪と、それが生み出す闇の出来事が、主イエスに向かいました。
しかし、主イエスがその悪意に飲み込まれてしまうことはありませんでした。
神による救いの計画は、どんなに大きな闇の力であっても妨げることは
できないからです。また、神の救いの御業が進んでいるならば、その結末は
闇ではなく救いです。
聖書は、悲しみ嘆く者たちのことを預言したエレミヤ書の言葉を引用します
(18節)。エレミヤ書では、預言の言葉は更に続きます。「泣きやむがよい。
あなたの未来には希望がある」と(エレミヤ31:15-17)。この言葉に続いていく
ための救いの働きが、クリスマスに始まったのです。それを知るゆえに、私たち
は安心して、救いを楽しみにして歩みを続けます。